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生涯未婚率上昇と1985年 [随想]

生涯未婚率は1985年から上昇しています。

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1985年といえば、男女雇用機会均等法が制定された年です。当ブログではかつて男女雇用機会均等法により恋愛・結婚事情に大きな影響があったと指摘しました。(ご興味のある方は右コラムの検索窓に「男女雇用機会均等法」と入力して検索してください。)それらのエントリーは社会学の資料としても使っていただき、私も社会学者として教壇に立たせてもらえないものだろうかと思っている次第です。この男女雇用機会均等法は、生涯未婚率の上昇にも影響したように思われます。すなわち、同法によって下記の現象が生じました:

(1)女性にとって結婚が死活問題ではなくなった
(2)女性が仕事に没頭し結婚から遠ざかった
(3)ある種「贅沢」となった結婚では女性の結婚相手への条件が厳しくなった

こうして1985年以降、生涯未婚率が上昇して行ったように思われます。

また上記(3)に加えて、1985年から以降は非正規社員が急増して行きました。googleの画像検索で非正規社員の推移を検索すると、出て来るグラフが一番古くても1985年から始まっているものばかりです。生涯未婚率の上昇、男女雇用機会均等法と一致する年です。
この非正規社員の急増により、厳しくなっていた女性の結婚条件をクリアできる男が減少して行ったものと想像できます。

来年は早くも『「婚活」時代』(山田昌弘、白河桃子共著、ディスカバー携書、2008年)から10周年になりますが、同書の中では次のようなことが書かれてあります:

男女雇用機会均等法施行以前の我が国の企業は「総合職の男性と一般職の女性が出会う場」であり「企業がセッティングする集団見合いのようなもの」だった。

その頃の企業風景を当ブログでは朝日新聞朝刊での連載「日本型雇用」から引用したことがあります。すなわち、

17歳で臨時工
ほどなくして正社員に
給与は毎年1割ずつアップ
職場旅行で親しくなった女性と結婚
松下の健康保険組合式場にて挙式
松下の社宅で新生活スタート
松下の積み立てを使いマイホーム取得
松下OBと共同で墓地用地購入

今のパナソニックで勤めた76歳男性(当時)は上のような人生を歩まれたそうなのです。今読むと、とても信じられない異世界のお話ですね。

こうした企業風土が消え去り、貧しい非正規社員が急増し、男女雇用機会均等法によって女性の結婚観が変わって結婚相手となる男への条件が厳しくなった。これらのことの出発点が1985年だったのではないでしょうか。そうして生涯未婚率上昇へとつながって行ったものと思われます。
1985年は、大きな年でしたね。
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