墓参りを普通にやっている若い人たちへ

幼い頃から墓参りをして来た。母と妹と、今は亡き父と墓に手を合わせる時、なんとなくだがこの繰り返しは永久に続くものと感じられた。だが今は妹が嫁ぎ父が他界し、老いた母親と二人で手を合わせている。やがて私一人の時が来る。だが墓参できるうちはまだ良い。跡継ぎの いない私は、いずれ近いうちに墓じまいをしなくてはならなくなる。

私は非正規従業員で、ついに私と結婚してもよいという女性を見つけられなかった。これまで437名の女性に交際を求めたが１度お茶をご一緒するのを了承してくださった方が３名で、他の方からは相手にもされなかった。結婚願望というものはもともとなく、生涯独身もまた良いとは思っているのだが、せっかく代々の墓に眠っているご先祖様を墓から引きずり出し無縁仏にするのは忍びがたい。私が非正規の道を歩んでしまい結婚できなかったために墓をつぶし、ご先祖様を無縁仏にするのだ。罪の意識にさいなまれる。墓をつぶす時、私はどんな気持ちでその光景を見ることだろう。

私がこの思いを持つようになったのはここ数年のことだ。結婚は損という考えを持つ若い人たちが多いと聞くが、非婚の先にはこのような問題があることを、若い人たちには知って欲しい。そして職業についてよく研究し、慎重に選択して欲しい。